高千穂峰

 神様が最初に降り立った地だそう。なんで最初に日本の端、九州の南端に降りたんだろう?もっと日本の中心に近いところに降りれば良いのに.......。ま、それはさておき、神様が降り立ったということで、崇められている山です。先に霧島神社に行ったとき、今の霧島神社は別の所にあったことを知りましたが、それが高千穂峰の麓にありました。むかし、はこっちにあったのだが、噴火の度にしばしば神社が焼失したので、現在の地点に移設されたらしい。神社とは神様の住まいなのに、天災で焼かれるというのは天罰があたったようで、とてもおかしな気がする。
 麓の道路で、ちょうど山頂がよく見えるところの車の脇で、山に向かって老人が祈っていた。それだけありがたい神聖な山なんでしょう。
 標高は1574mですが、ガレ場で登るのはものすごく大変。たくさんの人(それも年輩の人が多い)が登っているのですが、ガレ場で登山道もほとんど整備されていなくて、事故が起きないのが不思議。例によって私は登山の楽しみを理解していないので、標高970mの登山口からムキになって休まずに一気に山頂まで登った(ガイドブックでは1時間20分のところ40分で登った)けど、さすがに下りは足がガクガクで危なかった。
 神聖な山の割には意外な一面に気づいた。山頂はものすごく臭くて、虫もたくさんいる。臭いというのは火山の臭いじゃなくて有機物の臭い。近くにいた年輩の団体は「デンプン工場が近くにあるのかしら」「焼酎工場じゃない?」などと言ってたが、山麓の臭いがそんなに強かったら大騒ぎだぞ。山頂付近に臭いの元があるに決まっているじゃないか。山頂脇に有料トイレを備えた小屋があるのだが、そこが犯人じゃないかと思う(違ったらごめんなさい)。とにかく臭い。高千穂峰は「お鉢」と呼ばれる1206mの火山と、最高標高点がある主峰の双子火山なのだが、主峰の山頂付近数百mはとにかく不潔な臭いで閉口してしまう。やっと登ってたどり着いた、崇めたてまつられる神聖な山の頂上が臭くて深呼吸も出来ないというのは、冗談にもならない。
 山頂には「天の逆鉾」なるものがあった。神話の世界に疎いものだから、私には良く分からないけど、戦前に教育を受けた人ならば皇室と神話を結びつけたお話をご存じでしょうから、判るんじゃないかとは思いますが....。

#神様が最初に降りたときはきっとまだ臭くなかったんでしょうね

旧霧島神社。かつて霧島神社はここにあったけど、火山噴火のためしばしば焼失し、ついにはあきらめて移転した。


が、今でもイベントはこっちで開催されているらしい。


最初の写真の拡大。お鉢を経て高千穂主峰にアタックする。正面の山がお鉢。白く点々と見えるのが登山客。


お鉢火口と、お鉢から見た高千穂峰。お鉢火口は霧島の中でも最も頻繁に噴火している火口。


高千穂峰山頂にある天の逆鉾。逆鉾はブロンズのようだが、鳥居はアルミ製だった。


高千穂峰から北を望む。遠くの高い山が韓国岳、その手前に平坦に見えるのが新燃岳


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