北山村・丸山千枚田
和歌山県の飛び地、北山村。こちらで知り合った和歌山県庁の幹部の方は北山村には行ったことがないと言う。全国的にも珍しい、自治体そのものが飛び地となっている。せっかく和歌山勤務となったのだから、和歌山県人ですらあまり行ったことがない北山村に出かけてみることにした。と、言うが、実は北山村の近くに三重県紀和町があり、そこには見事な千枚田があるらしい。と、思って紀和町について調べてみると、紀州鉱山という大きな鉱山があり、鉱山資料館もあるそうな。すごく興味をもって出かけた。
北山村は三重県と奈良県の間にある。北山村の手前にある和歌山県の部分は新宮市の飛び地。江戸時代から飛び地だったらしい。
北山村に向かう国道。乗用車がすれ違うのがやっと。ディープな世界。
道路の脇には峡谷。ほんと山奥のディープな世界。
飛び地であることを観光ネタにしている。ま、私もそれで出かけたのだが。
紀和町の千枚田。見事です。フィリピンみたい。春から夏が見所なんだそうだが、稲刈りが終わった田でも十分に素晴らしい。
赤木城。安土桃山時代に藤堂高虎が築城した山城。
なーにもない山奥に城を造ったというのがよく判らない。山城なので水も無さそうだし。
城の周囲は生産力のなさそうな土地で、とても城が必要になるような重要な土地であるようには思えないのだが。
なんでも北山一揆と言うのがあって、その一揆を鎮圧する拠点として城を造ったらしいのだが。この碑は北山一揆の際に処刑された刑場。ここで数百人が処刑されたんだそうな。何かおかしなものが写っていないだろうか?
紀伊半島に大きな鉱山があったなんて知りませんでした。中央構造線の南には特段の鉱山は存在しないと思っていたのだが、熊野酸性火山岩類による熱水鉱床のようだ。資料館はガラガラ。三連休なのに誰もいない。受付のオニーサンはやたら説明したがっていた。ほとんど人と話をすることが無いんだろうな。
酸性深成岩によるペグマタイトの蛍石の巨晶や熱水起源の金鉱石が展示されていた。
銅、鉛、亜鉛が主体で、金、銀が若干とれたらしい。
昭和40年代までは大規模な鉱山街だったらしい。
資料館には「かつての」鉱山技師の使う機器展示されていた。と言ってもクリノメーターは今でも和歌山に持参してきて使っているのだが。デクレピテーションと言えば友人がアホな卒論テーマを与えられて長石のデクレピテーション計測をさせられていたのを思い出す。熱水鉱床だからデクレピテーションが使えるのであって、晶出温度が水の臨界温度(374℃)を越える長石でデクレピテーションやったって何の意味もないのに。
坑内のトロッコ。すごく小さくてビックリする。学生の時に札幌の豊羽鉱山を見学したのだが、そこではもっと大きな車だったのだが。神岡鉱山なんて車が走り回っていたし。
途中で、本宮大社に参拝。和歌山勤務中に何度もやってきたし、熊野古道を歩いて徒歩でもやってきた。たぶんこれが最後の参拝だと思う。
何と、44年ぶりの屋根のふき替えなんだそうで、社殿の一部は工事中。
この看板の横に黒い蛇がいた。写真を撮ろうとしているうちに逃げられてしまった。残念!