水分れ
兵庫県氷上町にあります。標高95mで本州中央分水界(脊梁山脈の稜線をつないだもの)のうち、最も低い場所なんだそうです。低いだけじゃなく、とても分かりやすい状況にある。ちょうど分水界の上に扇状地が形成されている。
通常、川の水が分かれることはないんですが、例外として三角州の河川と扇状地等における河川の網状流路は別。川の水が分かれて流れることがある。
ここの扇状地の扇頂には人工的な取水口があるのでわかり易さはさらに強調されている。一つの川が分岐して、右に進んだ水は日本海に流れ、左を進んだ水は瀬戸内海を経て太平洋に注ぐ。まさに「水分れ」です。
かつてここの出身だった上司だった方に聞いたことがある。ような気がする。
資料館の解説パネルはちゃんとした学芸員が執筆したものだろう。「本州で最も低い中央分水界」と正確に説明しているが、路上の看板やパンフレットは専門家の監修がなされていないらしく「日本一低い」と強調する。日本一ではない。北海道千歳の分水界は標高11mでこれよりはるかに低い。が、千歳では分水界は非常に分かりにくく、全く実感できない。ここの分水界は日本一ではないが、日本一分かり易いものだと言える。扇状地のために、まさに水が分かれている様子を直接見ることができる。
右側に流れた水は日本海に、左側に流れると太平洋に注ぎます。
どっちを流れても、ともに海まで約70km
あるサイトには「水分れ」ったって人工的なものじゃないか?と書かれていたが、分水界であることを分かり易く示すシンボルであって、その周囲を見れば分水界であることが分かる。写真じゃ立体感がないので感じにくいかもしれないが、正面の人家の前の道路は左右が下がっている。街灯の右1m位の場所が中央分水界。ここに降った雨は左右に分かれ、日本海と太平洋にそれぞれ注ぐ。
資料館(入場料200円)にあった写真。扇状地の扇頂に位置します。
資料館の模型。ボタンを押すと説明が流れた後に、模型に水が流れ込み海水位が上昇して、ここで本州が二分することを示してくれる。透明な水なのでちょっと写真には写しにくい。色水の方が分かり易いと思うが、メンテナンスは大変だろうな。