祝! ついに中辺路を踏覇しました
岩上王子−熊野本宮大社
秋になって涼しくなってきたので、熊野古道歩きを再開。前回は岩上王子の先の林道まで行った。熊野古道は前回行った小広王子までは基本的には国道沿い。なので、車で来て山道を歩けば良かったのだが、小広王子から先は、国道からは完全に離れた別の峠を越えることになる。ので、前回はなるべく先に進み林道を終点とした。ので、今回はここからスタート。国道を外れ砂利の林道を30分。これがまずかった。時速10km程度でノロノロ進んだので、石を跳ね上げた訳じゃないのだが、右に左に大きく車が揺らされたためか、エアコンが利かなくなってしまった。我が愛車にとってこんな砂利道を長距離走るのは初めてだったのだ。なんともこれは大変なことに....。
それは脇において熊野古道。
当初の予定では本宮大社まで行けないはずだったのだが、伏拝王子にたどり着いた段階で12時前だったし、残り距離は3.3km。ならば歩けると思って進んだ。が、平坦地の3.3kmならば30分強なのだが、山道。おまけに、本宮から歩いてくる者がたくさんいて歩きにくい。秋は日没も早いし、せっかくたどり着いた本宮大社だけど、5分滞在で参拝もそこそこに引き返した。が、最後の方は山の中、森の中では日も射さず薄暗くなってきたようで、焦って日とにかく急いで歩いた。熊野本宮大社の参拝は別の機会に改めて行うことにします。
片道14.6km、標高差600m(と言っても途中に200mの峠と150mの尾根越え有り)の山道を往復。総時間7時間45分。うち総休憩15分。とにかくハードだった。帰途は景色など一切見ることもなく足下だけ見て歩いただけ。急がねばならないという意識ばかりで、疲労も感じる余裕すら無かったのが事実。
今の皇太子も来たそうな。山奥にもかかわらず、立派な祠があった。湯川さんはここが発祥だそうな。近くには「湯川一族の墓」があることになっているのだが、最近発生した?土石流跡があるだけだった。流されてしまったのか....。自然の植生を剥いで杉を植林して、それを放置したために土石流が多発している。湯川一族の墓も、おそらくは数百年以上この地にあったのに....最近の山の荒れ方を物語っている。ような気がする。
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船玉神社
以前に見た熊野高原神社と同じく、神社ではあるが王子ではない。熊野高原神社のように立派なものではないけど。狐の像が一対あった。
五体王子と呼ばれる格式の高い王子の一つ。ヒラの王子とは違うぜ!と、いっても社はそれほど大きくはないが。ここにはバス便も出ている。観光地のようだが、自販機がある程度。かつては、熊野の入り口として大鳥居があったそうな。
日本全国どこでも奇跡を起こしている弘法大師がここでも泉を創ったそうな。ここの水は飲めるんだそうで、帰路にペットボトルに詰めて水を頂いた。翌朝これでコーヒーを入れたが特段に美味しい訳ではなかった。普段飲んでいる水道水が美味しいとも思えないのだが...。残念!
説明によれば、ここから遠く熊野本宮大社の鳥居が見えるとのこと。だが、全く見えないぞ!
予定ではここで引き返すはずだった。が、あと3.3kmなんだから...と思って強行した。のが失敗だった。考えて見りゃ水平距離はまだしも、こんな谷底に見える本宮から、帰り途は登ってこなきゃならない。こりゃ辛いものがある。
ここは熊野本宮大社の裏門?からわずか50m程度のところ。気がせいてほとんど見ずに通過。
ゴール!この先は撮影禁止なのが残念。きちんと参拝しなかったので、今度改めてお参りに行くつもり。
ま、ゴールと言っても、熊野三山のうちの一つにようやく到達したに過ぎない。ここまで中辺路のスタート、田辺から66km、距離から言えばかなり消化したが、熊野古道はここから先が大変。車の通れない大雲取越え、小雲取越えという、熊野古道最大の難関が待っている。この苦難の先にようやく那智大社がある。そして新宮大社も。だが、日が短くなった秋では到底無理。大雲取越、小雲取越えは日が長い来年の初夏にチャレンジしてみようと思う。
裏から入ったので小さな鳥居がある程度。急いでいたので撮影に失敗した。本殿の裏をのぞき込み
美林スポットとの看板あり。たしかにここまで歩いて66kmのうち、美林など皆無と言えるほど手入れされた林はほとんど無かった。
間伐されないために、成長できずこんなに細い杉林。これでもマシ。枝打ちだけは行われているのだから。
きちんと枝打ちされ、間伐された林。さすがに大手企業の私有林だけのことはある。が、伐採された木も運び出されることなく、その場に放置されたまま。どう見たって美林じゃない。
山奥に突然立派な石垣があったりする。かつてはここに家があったらしい。
石垣で組まれた棚田。かつてはこんな山奥の狭い土地にも田が作られ人が住んでいたらしい。道路すらないのに。
「ささゆり」の名前は何度か看板で見かけたが、これが実物らしい。
季節は既に秋。と、言ってもここでの任期はあと1年半もあるんだが。北海道育ちの私にとって彼岸花は馴染みなく季節感も感じない植物だが、ススキには秋を感じます。